お墓を建てる

石材店の選び方

お墓を建てるにあたって

公益財団法人東京都公園協会 発行
『お墓を建てるにあたって』の表紙


初めてお墓を建てる方は、

「どんな基準で石材店を選べばいいかわからない」

「石材店で何を確認すればいいかわからない」

といった不安があるかと思います。

そこで本記事では、都立霊園の当選者に、公益財団法人 東京都公園協会から配布される冊子(=『お墓を建てるにあたって』)内の文章を引用しながら、下記の二点について整理していきます。


1.お墓の価格

2.お店選びのポイント


都立霊園に当選した方、またこれから都立霊園に応募を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。



1.お墓の価格

まずお墓の価格はどのように決まるのか知っておくことが重要です。『お墓を建てるにあたって』ではこのような記述があります。


墓石の価格は産地、石種で異なります!

墓石は国内産と外国産の2つの区分に分けられ、一般的には国内産のほうが産出量が限られるため高価となっています。くわえて、墓石の値段は「御影石」とも呼ばれる花崗岩や安山岩など石材の種類によっても変化します。また、たとえ同じ種類でも産地により大きく価格は異なります。

公益財団法人東京都公園協会 お墓を建てるにあたって


墓石

石は産地が違えば、色や模様・品質が異なる


産地

産地とは原産地(石を採取した場所)であり、生産地(加工地)ではありません。一般的に国産は県名、外国産は国名が使われます。外国産の墓石にはインドや中国が多く、最近ではベトナムやカンボジア産もありますが、これらは国内産に比べて比較的安価になる場合が多いです。同じ種類の石材でも産地や場所が違えば、石目(色や模様)や品質、希少性が異なるため、価格に差が生じます。


石種

墓石の価格を決める上では石種(石の種類)も重要です。墓石には「御影石」とも呼ばれる花崗岩や、安山岩などがありますが、それぞれの石材ごとに名前がつけられており、特性や希少性が異なるため、価格が変わります。


その他墓石の価格には、使用する石の量やサイズ、加工の難易度、仕上げ方法、デザインの複雑さなども関係します。石を多く使用したり、特殊な加工や細かい彫刻を施したりすると手間や技術が必要となるため、それに応じて価格は高くなります。


2.お店選びのポイント

①見積書の内訳が明確になっているか

見積書の例

例;墓石や工事、付属品などの内訳が記載されている見積書
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見積書の内訳が明確になっていますか?

石材店の見積書は「石材一式」「工事費一式」となっていませんか。お店を選ぶにあたり、内訳が見積書に明示されているか、金額の明瞭さや価格に透明性があるか、また、併せて図面が添付されているかなど、お店を選択するうえで見積書は重要です。

公益財団法人東京都公園協会 お墓を建てるにあたって


墓石を購入するときには、見積書の内容が具体的で明確になっているかどうかが重要と説明されています。ではここで言う「石材一式」「工事費一式」は具体的になにか内訳を記載します。


石材一式

  • ・石種と産地
  • ・サイズや数量
  • ・加工方法や仕上げの内容

工事費一式

  • ・工事の種別(基礎工事や据付工事など)
  • ・工事に使用する材料
  • ・施工方法・仕様

※上記に加えて、付属品や彫刻など


お墓の図面

お墓の図面があると完成後のイメージが湧きやすい


加えて、見積書とともに図面が添付されているかどうかも、お墓の完成後のイメージを明確にするうえで欠かせません。図面があることで、石材の形状や寸法、デザインなどを具体的に確認できるため、完成後に「思っていたものと違う」といった認識のズレを防ぐことができます。

②アフターケアがあるか

階段や羽目に付いたシミや水アカ

階段や羽目に付いたシミや水アカ
放置してしまうと墓石の劣化を早める原因になります

墓所内に生えている雑草

墓所内に生えている雑草
お参りするスペースもありません


アフターケアはありますか?

お墓は一度建てると何十年も使うものです。壊れたら買い替えるようなものではありません。また墓石建立後、新たに埋葬が必要になった場合、納骨や墓誌への彫刻などは石材店に依頼できます。

お店を選ぶ際、墓石にどのような保証がなされるか、建立後の対応としてどのようなサービスがあるかなど、アフターケアについても併せて確認することをお奨めします。

公益財団法人東京都公園協会 お墓を建てるにあたって


お墓は一度建てれば終わりではなく、自然環境の影響を受けながら維持していくものです。風雨や地震などによる影響で墓石が汚れたり、目地が劣化したりすることもあるため、定期的な点検や補修が必要になります。もし、こうしたことが発生した際に、適切なアフターケアが受けられないと、大きな修繕費がかかる可能性があります。

では石材店によるアフターケアの例を記載します。


アフターケアの例

  • ・修理:墓石のずれや傾きなどを直すなど
  • ・メンテナンス:墓石のクリーニングや草取り、植木のお手入れ、彫刻の色入れ、ひび割れや目地切れを埋めるなど
  • ・リフォーム:お墓の一部修繕から全面建て替え
  • ・改葬、墓じまい
  • ・お墓参りの代行
  • ・納骨、法要

※「墓石建立後、新たに埋葬が必要になった場合、納骨や墓誌への彫刻などは石材店に依頼できます。」と記載されていますが、石材店によっては自社で建立したお墓以外は受けつけない場合があるので確認が必要です。


認定石材店が発行する保証書

「一般社団法人 全国優良石材店の会」の
認定石材店が発行する保証書


加えて石材店に保証制度があるか、また保証内容や期間、修理対応の範囲などを事前に確認することが重要です。建立後に万が一不具合が生じた場合、保証制度があれば修理や取り替えを適切に受けることができ、予期せぬ負担を避けることができます。


まとめ

以上「石材店選びのポイント」について解説しました。冊子では最後にこう締めくくられています。


お墓を建てる際のお店選びの判断基準は価格面、材質面などお客様によって異なりますが、すべてのお客様に少なくとも複数の石材店を比較検討されたうえで、お店を決定するようお奨めしております。

公益財団法人東京都公園協会 『お墓を建てるにあたって』


石材店によってお墓づくりの考え方や工事の仕方、その後のアフターサービスなどが異なります。各石材店の特徴を理解した上で、わが家のお墓を安心して任せられ、永くお付き合いできる石材店を選んでください。